敏感アンテナさんの優しいアンテナ時間~HSP・繊細さんの才能を活かすメソッド

繊細だけど、強くなれる。HSPが神話から学ぶ自己受容のヒント

2025年04月21日 10:54

ある神社で感じた、不思議なエネルギーと風景

先日、長野県大町市にある仁科神明宮を訪れました。

国宝にも指定されている、由緒ある神社です。

夫の実家のすぐ近くにあり、これまでにも何度か訪れてきた場所です。


けれど今回は、境内をゆっくり歩き、本殿以外のお社にも目を向けてみたことで、

今までとは違う感覚にふと気づかされたのです。


大町市は、自然がとても豊かで美しい場所です。

春になると、雪をかぶった北アルプスの山々が青く澄んだ湖面や水田に映りこみます。

桜が満開になれば、その景色は本当に息をのむほどの美しさになります。


そんな風景の中にたたずむ仁科神明宮は、ひっそりとした静けさに包まれていて、

どこか張りつめたような空気感がありました。


華やかさや開放感とは違って、見られているような、

不思議な緊張感もあり、「ここにいていいのかな」と感じてしまうような雰囲気でした。


境内にはたくさんの神様が祀られていました。

その中で特に目を引いたのが、須佐之男命(スサノオノミコト)を祀る小さな祠です。


主祭神である天照大神(アマテラスオオミカミ)の社殿はとても立派で堂々としているのに比べ、

須佐之男命の祠は本当に控えめで、

思わず「なんでこんなに小さいの?」と感じてしまいました。


他の神様のお社と比べても、明らかに一番小さくて。


神話ではあれほど力強く、大きな役割を担っていた神様なのに……

なぜ、こんなにも小さいのだろう?


その違和感がずっと心に残って、むしろそれが気になって、

調べずにはいられなくなったのです。


その時は不思議なエネルギーというよりも、

むしろ「なぜ?」という思いの方が強く、

どこか心に引っかかるような気持ちでした。


私は、こうした場所の空気感や神様の存在に対して

敏感に反応してしまうところがあり、気になって仕方がなくなってしまうのです。


そのことがきっかけで、須佐之男命という神様について改めて調べ始めました。


そして知ったのは、

日本神話の中で「繊細で、不器用で、でも本当は優しい神様」として描かれているということでした。


須佐之男命は「繊細で、感情の波が激しい神様」だった

須佐之男命と聞くと、荒ぶる神というイメージを持つ人が多いかもしれません。

神話の中で彼は高天原(たかまがはら)で乱暴を働き、

姉の天照大神を深く悲しませてしまいます。


  • 田畑を荒らし、神殿を壊し、周囲を恐れさせる

  • ついには高天原を追放されてしまう

一見すると「乱暴な神様だな」と思ってしまいそうですが、

実はその行動の裏側には、「母に会いたい」という切実な想いがあったと伝えられています

(これは古事記の記述に由来し、日本書紀ではやや異なる描かれ方がされています)。


幼くして母を亡くし、感情をうまく表現できなかった須佐之男命。

その姿は、感受性が豊かで考えすぎてしまうような私たちHSPの姿と、

どこか重なる部分がある気がします。

感受性が強いと、時に「あらぶる」こともある

HSPは感受性が強いゆえに、周囲の人の言葉や雰囲気を敏感に受け取り、

感情の波に振り回されてしまうことがあります。


  • 周りの雰囲気を感じ取りすぎてしまう

  • 些細なことで傷つき落ち込んでしまう

  • 感情が高ぶって涙が止まらなくなることもある

私自身も、そういう傾向にあるところがあり、

「もっと鈍感になれたらいいのに」と思ったことが何度もあります。


でも、須佐之男命の物語に触れて、少し考えが変わりました。

須佐之男命が教えてくれた、「感情の扱い方」

須佐之男命は高天原を追放されたあと、出雲の地に降り立ちました。

そこで、ヤマタノオロチという巨大な蛇に怯える家族と出会い、

彼らを守るために立ち上がります。


その強い感情を、怒りや暴れ方ではなく、

「大切な誰かを守るため」に使うことを学んだのです。


つまり、須佐之男命は

「自分の持つ強い感情を、良い方向へ導く力」に変えていったのだと思います。


HSPの私たちも、もしかしたら同じように、

自分の感受性や反応の強さをどう活かしていくかを見つけていけば、

それは大きな強みになるのかもしれません。

HSPだからこそ、神話が心に響くとき

神話は、ただの昔話ではなく、

私たちの内面を映す鏡のような存在なのかもしれません。


須佐之男命の物語を通じて、

「感情が豊かであること」や「敏感であること」を受け入れて、

それを「自分の力」にしていくヒントが見つかったような気がします。


自分の反応の強さに戸惑うときや、

深く考えすぎて疲れてしまうときには、

神話や自然にそっと触れてみるのもいいかもしれません。


静かな神社の境内で、

ゆったりと呼吸をして、自分自身の感受性を穏やかに感じてみる。


そんなふうにして、自分の性質を静かに受け入れ、

心がすこし落ち着いていくのを感じられたら。


このブログが、そのきっかけのひとつになれたらうれしいです。

※仁科神明宮の本殿・釣屋・中門・透塀は国宝に指定されています。この記事ではあくまで私個人が感じた印象をもとに書いていますが、そうした厳かさや緊張感は、こうした格式の高さとも通じているのかもしれません。


ちなみに、須佐之男命は厄除けや災難除けの神様として知られているだけでなく、

出雲での神話からは“家族や土地を守る存在”としての一面もあります。

そして、心の混乱や疲れを鎮め、

心身の平安をもたらしてくれる神様として感じられることもあるそうです。


今の自分に必要な気づきや癒しを、

そっと届けてくれる存在なのかもしれません。



そんな流れで、私はいつの間にか須佐之男命のファンになっていました。