敏感アンテナさんの優しいアンテナ時間~HSP・繊細さんの才能を活かすメソッド

第1章 忙しさに追われた日々――家族とのすれ違いと自分を見失った私

2024年12月06日 12:04

忙しさが日常になり、自分を見失う日々

父が元気だったころは孫に会いたいがために

地方から両親そろって頻繁に遊びに来てくれていました。

家のことを手伝ってくれることが多かったので

それほどつらいと感じる日はなかったように思います。

年月は過ぎ、

新しい部署への異動、責任者への昇格、さらに子どもの進級や親の介護...


次々と訪れる大きな変化に、

私の生活はさらに忙しさを増していきました。

朝から晩まで仕事と家庭に追われる日々に変わっていきました。


「今は頑張るしかない」と自分に言い聞かせ、

周囲の期待に応えることを優先していました。

朝のリビングには、子どもの準備を急かす声が響き、
テーブルの上には手つかずの朝食が冷めていく。
カーテン越しに差し込む朝日を見ても、

体は重く、布団から出る気力さえ湧きませんでした。

忙しさがもたらした身体的変化―気づかぬうちに崩れていく心と体

忙しさを理由に、自分を見失っていた私。

その影響は少しずつ体に現れ始めました。

胸の痛み
 
時折、胸に強い痛みを感じました。

 狭心症かもしれない」と不安になり、病院で検査を受けましたが、

 結果は異常なし。

 それでも、痛みは日常的に続きました。

体のだるさと倦怠感
 
朝起きても疲れが取れず、

 まるで体に重りを付けられたような感覚が続きました。

物忘れ
 
廊下に出た瞬間、「何をしようとしていたんだっけ?」

 やろうとしたことを思い出せないことが頻繁にありました。
 大事な予定をメモしても、それを確認することすら忘れてしまうほど。

体のこわばり
 
つねに緊張状態のせいか腰や背中を痛めることに悩まされました。

 長時間座るだけで体全体が固まるような感覚に襲われ、
 デスクワークが苦痛に感じられるようになりました。

耳の閉塞感
突然、耳がふさがったような感覚に陥り、周囲の音が遠のくこともありました。

便秘と体重増加
不規則な生活が続く中で、体調が整わず、体重が増え続ける一方でした。

これらの症状が次々と現れ、

「どうしてこんな状態になっているのか」


答えが見つからないまま、

ただ日々をやり過ごすだけの生活を送っていました。

さらに、心にも次第に重圧がのしかかり、

「評価が下がったらどうしよう」

「周りが迷惑しているかも」

こんな思いに押しつぶされそうでした。

常に仕事のことを考えていました。
体と心が悲鳴をあげても、誰にも相談できず、ただ耐えるしかない...

そんな日々を送っていました。


忙しい生活の中での保育園選び

職場までの道のりは車で約40分。

朝7時半には家を出て、

子どもを保育園に預けてから仕事へ向かう生活を送っていました。


「忙しい中でお迎えに間に合うこと」を最優先に考え、

職場の近くにある保育園を選びました。


保育園の環境は素晴らしく、

子どもたちも楽しく過ごしてくれていたと思います。

しかし、小学校に上がるときに気づきました。
保育園からのお友達が誰もいない。知り合いのママもいない...


親子して孤独な状況から、小学校生活がスタートしました。

人見知りのある子どもたちにとって、

この環境の変化は大きなハードルだったと思います。


「保育園の選択も、自分の都合を優先してしまったのではないか」と、

今では反省しています。


 家族の中で感じたストレス

家族との時間を確保しようと、

子どもたちと一緒にクッキーを焼いたり、

旅行に行ったりしました。


焼きあがる甘い香りに包まれる中で、

「母親らしさ」を演じている自分を感じました。


旅行先で

子どもたちと布団の上で次の日の予定を話しているとき、

職場から勤務調整の相談メールが届きました。


「ちょっと待ってて」「お仕事の話だから」

楽しかった空気が一変してしまったのを感じました。

子ども達はどんな気持ちでいたのでしょう。

海辺で子どもが「足を濡らしたい」と言っても、
「服が濡れたらどうするの」

「砂だらけになる」

笑顔で「いいよ!」と言えない自分に気づきました。


「ストレスなく物事を進めたい」と思うあまり、

笑顔が消えていたのです

家族を思う気持ちと現実のすれ違い

子どもたちや夫の気持ちを軽視していたわけではありません。


「今、何を思っているのだろう?」


「学校で楽しんでいるのか?」


「将来に向けて悩みはないだろうか?」

そんなことをいつも考えていました。

家族の気持ちを思いやる一方で、

「その気持ちに十分応えられていない」と感じ、
自分を責める気持ちが強くなることもありました。