敏感アンテナさんの優しいアンテナ時間~HSP・繊細さんの才能を活かすメソッド

第3章 心と体を整える――ヘッドマッサージとの出会い

第3章 心と体を整える――ヘッドマッサージとの出会い

2024年12月06日 12:06

葛藤を乗り越えた決断

家庭と仕事の両立が次第に難しくなり、

子どもたちの体調や生活を考えると、
「家にいるべきではないか」という思いが強くなりました。


一方で、職場での遅刻や欠勤が増え、

他のスタッフへの負担を考えると、
「このまま仕事を続けていて良いのだろうか」

という悩みが頭を離れませんでした。


そんな中、職場から時短勤務の提案を受けました。
「まだ職場に必要とされているんだ」という嬉しさが湧き上がり、
これが家族と仕事の両立の一歩になるのではないかと感じました。


しかし、その話を長女にしたとき、
彼女から返ってきた言葉は、私をハッとさせるものでした。

長女の冷静な一言が私に与えた気づき

「その選択は現状と変わらないんじゃない?
今までと違う状況と比べないと……」


起立性調節障害のため、学校に行けない日もあった彼女。


自身も困難を抱える中で、

こんなにも冷静で的確な視点を持っていることに驚きました。


同時に、

「子どもたちにとって本当に必要な選択は何か?」
「家族としてどう向き合うべきなのか?」


自分自身に問いかけるきっかけを与えられました。

彼女の言葉に、私は初めて立ち止まり、

現状を見つめ直すことができたのです。


退職後の新しい生活

仕事を退職し、

ようやく日々の忙しさから解放された私は、
少しずつ体調が気にならなくなっているのを感じました。


しばらくは社会での無力感や喪失感に悩みましたが

それも徐々に薄れていったような気がします。

仕事中に頻繁にあった胸の痛みも消え、
頭の中に隙間ができたような感覚がありました。


退職後3か月ほどして、以前から興味のあったヨガを始めることにしました。


仕事をしている頃は、同僚が「ヨガやジムに行っている」と話しても、
「そんな余裕、どこから生まれるの?」と不思議に感じていましたが、
今では自分の時間を少しだけ持てるようになり、その感覚を初めて味わいました。


一方で、PTAの役員を引き受けることになり、
これまでとは違う種類のストレスを経験しました。
その時には蕁麻疹が出たり、声が出なくなるという症状もありましたが、
役割を終えるとともに症状も消えました。


そんな日々の中で、子どもたちの体調はなかなか改善せず、
登校できる日もあれば、家で過ごす日もあり、心配が尽きませんでした。
「何か良い方法はないか?」と、常に探し続ける日々が続いていました。


「脳疲労」という言葉との出会い

コロナ禍が2年目に差しかかった頃、
ネット検索で「自律神経 改善」と調べているときに、
たまたまヘッドマッサージスクールのサイトを見つけました。


その中で目に留まったのが「脳疲労」という言葉でした。


臨床で聞いたことのない言葉に、最初は半信半疑でしたが、
「もしかして、私が以前悩んでいた物忘れや焦燥感も、

脳の疲れが原因だったのかも」と、
徐々に興味を持つようになりました。


さらに、いくつかのスクールと比較した結果、
このスクールを選んだのは、施術の根拠が明確で、
医学部名誉教授が監修している点に信頼感を抱いたからでした。


また、海外からも多くの人が学びに来ているという実績も魅力的でした。
「これなら、子どもたちのために役立つかもしれない」
そう思い、ヘッドマッサージの学びを始めることを決めました。


学び始めて感じたこと

スクールに通い始めて、最初に驚いたのは、
医療従事者が多く学びに来ているという事実でした。
私だけではなく、プロフェッショナルもこの技術に注目しているのだと、
改めてその価値を実感しました。


また、講義の中で学んだセロトニンの役割には、

心を揺さぶられるものがありました。


「セロトニンは心の安定やストレス解消、体のリズムを整える上で不可欠な物質だ」と知り、
私たち家族に起こっていた問題の多くが、
このセロトニン不足と密接に関係していることに気づきました。


さらに、施術によってセロトニン分泌が活性化される仕組みを学び、
「これが、私たちに必要なものだ」と確信しました。


「このセロトニンが心身の安定をもたらしてくれる――」
そんな気づきは、私にとって大きな発見であり、希望そのものでした。


家での練習と子どもたちの最初の反応

ヘッドマッサージを習得するためには、
スクールで学ぶだけではなく、家での練習が欠かせませんでした。
そこで、少しずつ子どもたちに施術を試してみることにしました。


最初は慣れない手技に、子どもたちから「くすぐったい!」「無理!」(笑)
と言われることもありましたが、私は諦めずに続けました。
「少しでも子どもたちの体調が良くなってほしい」という思いが、
日々の練習を支える力となっていました。


練習をする中で、私自身もマッサージに夢中になり、
「もっと上手になりたい」と思いながら取り組むようになりました。
その姿を見た子どもたちが、「お母さんが楽しそうでうれしい」と言ってくれたときは、
私自身の気持ちがとても救われた瞬間でした。


数回目の施術を終えた頃、子どもたちの反応に変化が現れ始めました。


  • 寝つきの悪かった下の子
    ヘッドマッサージを受けると自然にスッと寝息を立てるようになり、
    寝る前には「頭のマッサージをして」とお願いされることが多くなりました。

  • 午前中の調子が悪かった子
    首や肩のこりのひどさを知り、マッサージで徐々に可動域が広がりました。
    首の動きがスムーズになるとともに、活動量が増えたのには驚かされました。

  • 腹痛が頻繁にあった子
    お腹のマッサージを取り入れると、「お腹が軽くなる」と教えてくれました。


セロトニンと施術の可能性

家での練習を通じて、セロトニンが私たちの心と体に与える影響の大きさを、
改めて実感するようになりました。


施術だけでなく、日々の生活の中でもセロトニンを意識した工夫を取り入れるようになりました。
朝はカーテンを開けて光を浴び、リズムを整える食事を心がけること。
適度な運動や、家族で笑顔を交わす時間を増やすこと――


これらが少しずつ私たち家族の心と体を支えていると感じています。

「触れることの力」が、子どもたちの心と体を少しずつ支えている――。


そして、その裏にはセロトニンが果たす重要な役割があると気づいたとき、
家族の間に穏やかな空気が流れ始めたのを感じました。



次回予告:セロトニンの力――心と体の安定を取り戻す鍵

次回は、ヘッドマッサージを通じて感じた

セロトニンの力と、その役割について深掘りします。


私たちの生活がどう変わったのか、ぜひお楽しみに!