セロトニンを整える暮らし③「からだの中から、やさしく整える ― 食べることと心の関係」
2025年05月29日 21:13
この記事は、セロトニンと心の整え方をテーマにした連載シリーズの第3回です。
今回は、「栄養から整えるセロトニンの仕組み」と
「私自身の失敗と工夫」について、やさしくお伝えします。
▼ まだ読んでいない方はこちらからどうぞ
→ 第1回|セロトニンを整える暮らし①「セロトニンって何? ― 繊細さと脳の関係」
→ 第2回|セロトニンを整える暮らし②「ホルモンと暮らす ― 呼吸・リズム・ふれあいの整え習慣」
セロトニンを増やす基本の方法、そして栄養の話へ
セロトニンを増やす方法として、
よく知られているものに次のようなものがあります。
朝の光を浴びること
リズム運動(歩く・掃除・噛むなど)
人とのふれあいやスキンシップ
これらは「セロトニンを活性化する行動」として、2回目の記事でもご紹介しました。
でも──
そもそもセロトニンが体の中でつくられていなければ、
活性化の前に“材料不足”になってしまうのです。
だから今回は、「セロトニンを作るために欠かせない栄養」について、
私自身の失敗と実感を交えてお伝えしたいと思います。
セロトニンを作る材料「トリプトファン」
セロトニンは、「トリプトファン」という材料が必要…
とよく言われます。
でも、実はそれだけではつくれません。
ビタミンB6や鉄分など、いくつかの栄養素が“チーム”になって
はじめて、セロトニンは合成されるのです。
だからこそ、「これだけ食べればOK」ではなく、
いろんな栄養を少しずつ、がとても大切。
セロトニンのためのおすすめ食材
たとえば、こんな食材たちがセロトニンの合成を支えてくれます。
たまご、ごま、豆製品、バナナ、乳製品
ナッツ、緑黄色野菜、青魚、玄米、芋類 など
どれも身近で、少しずつ取り入れやすいものばかりです。
取り入れ方のヒント(無理なくできる工夫)
「でも、どう取り入れればいいの?」
そんな声が聞こえてきそうなので、日常に取り入れやすい例をご紹介します。
朝:いろんな具材の入ったシリアルに、牛乳とバナナを添えて
昼:コンビニなら、玄米おにぎりに、ブロッコリーの和え物、サラダチキンの組み合わせ
夜:なめこと豆腐のみそ汁に、焼き魚と温かいごはん。やさしい湯気にほっとする時間を
「これならできそう」と思えるものから、無理なく取り入れていくことが、
セロトニンがよろこぶ習慣づくりの第一歩になります。
私の失敗と実感──ごはんを整える余裕すらなかった頃
朝はコーヒーだけ、昼はコンビニ、夜は外食や回転寿司。
とりあえずお腹に入れればいい。
太ってきたら炭水化物を抜けばいい。
そんな毎日を送っていました。
でもそれは、すでにセロトニンが枯渇していたから。
冷静な判断もできず、気力も落ちていたのだと思います。
結果的に、子どもたちの食事も同じように偏っていたはず。
いまでは、朝ごはんをしっかり食べる習慣が整い、
子どもたちの表情や活動にも変化が見られます。
「栄養はこころを支える」──本当にそう思います。
でも、誰もがすぐにしっかり作れるわけじゃない。
「わかっているけど、できない」が普通です。
無理せず食べるための“知恵”を使っていい
「じゃあ、どうやって栄養を整えればいいの?」
そんなとき、私が実際に取り入れている方法があります。
献立・買い物のストレスを手放す
→ 毎日考えるのが大変なときは、宅配やセットミールも頼ってOK。
自分の料理の幅にないものを作れる楽しさもあります。コンビニ惣菜の活用
→ 今のコンビニの惣菜は、組み合わせ次第で栄養バランスがとれるものが増えています。
作る元気がないとき、「食べないよりは食べる」こと。
そう思えるだけでも、心が少しラクになることがあります。
セロトニンを作るには、材料をちゃんと体に届けることが必要。
そのために、「つくる」ことだけにこだわらなくていいんです。
セロトニンのための「やさしい腸活」のすすめ
「腸活」がブームのように言われることもありますが、
実は腸内環境が整っていないと、栄養の吸収もままなりません。
特にセロトニンは、約90%が腸に存在するといわれ、
腸が元気だと心も元気になりやすいのです。
ただし、腸で作られるセロトニンと脳内で働くセロトニンは別物。
それでも腸と脳は密接につながっていて、
腸が整えば脳にも良い影響があるとされています。
さらに、腸の動き(蠕動運動)自体をサポートしているのもセロトニン。
だから、腸を動かすためにもセロトニンが必要なんです。
最後に──セロトニンは、“食べること”から始まる
心を整えるには、体が材料を持っていることが前提です。
何を食べるか
どう食べるか
その栄養が吸収されているか
この3つがそろって、はじめてセロトニンがつくられて、整い始める。
だからまずは、
「食べることが整うと、こころも整う」という実感を持ってもらえたらと思います。
無理をせず、できるところから。
「私にはこれが合っていた」と思える方法が、きっと見つかるはずです。
✶ セロトニンを整える暮らしシリーズ
→ 第1回|セロトニンを整える暮らし①「セロトニンって何? ― 繊細さと脳の関係」
→ 第2回|セロトニンを整える暮らし②「ホルモンと暮らす ― 呼吸・リズム・ふれあいの整え習慣」
→ 第4回|セロトニンを整える暮らし④「毎日続ける“わたし流”の小さな習慣」(近日公開予定)